DxO ViewPoint5
Julia Anna Gospodarou はファインアート写真を作り上げるために DxO ViewPoint 5 をどのように活用しているのでしょうか?
Julia Anna
Gospodarou氏
プロの
ファインアート
フォトグラファー
Julia Anna Gospodarou は、数々の受賞歴を誇るファインアートフォトグラファーにして、教育者、そして建築アーティストでもあり、印象的なモノクロ作品と「(en)Visionography」という独自のコンセプトで広く知られています。 Gospodarou氏 にとって真の写真表現とは、カメラに映るものを超えた世界―の感情や視覚、象徴的な意味までを、作品のあらゆる細部に落とし込むことなのです。
このインタビューで、彼女は DxO ViewPoint5 がどのように彼女のクリエイティブプロセスの重要な部分になっているか、そしてそれがどのようにパースを洗練し、微細な歪曲を補正し、その力強い建築構図に不可欠な厳密なジオメトリを実現できるのかを語っています。
ファインアート写真のマスターが、ビジョンと技術的なコントロールをどのように融合させているかに興味があるなら、Gospodarou氏
が共有する知見やストーリー、さらにはフォトグラファー自身のスキル向上に役立つ実践的なアドバイスをぜひご覧ください。
写真との出会いはどのようなものだったのでしょうか? 今のスタイルを確立したきっかけは何ですか?
私は主にモノクロの分野をメインに活動しているプロのファインアートフォトグラファーで、世界中のワークショップやコースで写真を教えています。
私は主にファインアート建築写真と風景写真で知られています。特に建築が私のメインジャンルですが、異なるジャンルでの実験的な取り組みも常に楽しんでいます。それによって新しい発見があり、私にインスピレーションを与えてくれるのです。
写真撮影は私にとって、常に自分を表現する方法であり、いつも心の近くにありました。 私はいつも世界を観察し、それについて問いを投げかけることが好きでした。そして、写真は、そうした質問の答えを見つける方法だったんです。
おそらく私の写真に最も重要な影響を与えたのは、建築家としての経験だと思います。 また、文明への情熱や、世界への尽きない探究心も、私の作品に深く影響しています。
私は幼い頃からアートに対する情熱を抱いており、それこそが写真を通じて成し遂げたいものなのです。 単に世界をありのままに写すのではなく、作品を通じて、世界に対する私自身の反応と思いを伝えたいのです。
ファインアート
作品制作において、あなたにとって重要なことは何ですか? あなたは何を伝えようとしているのですか?
私にとって最も大切なのは、自分の思考や感情を表現することです。単に被写体そのものを捉えるだけでなく、その被写体が私の心や魂にどのような影響を与えるのかを作品に反映したいと思っています。 そのため、私は被写体を単なる物ではなく、一つの概念として捉えるようにしています。 私は、被写体がどのように見えるか、それが何であるかということよりも、その被写体が私に何を感じさせてくれるかに興味があります。
アートは世界を新たな視点から眺める手助けになると、私は信じています。 写真の世界では、被写体が心の自由な旅の出発点になるときにこそ、本当の意味でそれが実現すると思っています。 写真が私に夢を見させ、心の旅をさせてくれるように、それを見た人にも伝えたいと願っています。
私の写真撮影のモットーは「写真を超えたものを創り出す」ことです。 それは、撮影する写真の「意味」をより深く探求することでもあります。 これが、私の写真を定義するコンセプト「(en)Visionography」の根底にある考え方です。
「写真撮影で最も大切なのは、見たものだけでなく、 そこから自分が考え、感じたことを表現することです。」
あなたの作品制作における画像編集の重要性はどのようなものですか? それはどのようにしてあなたのポートフォリオを形作り、写真に独特の味わいを与えているのでしょうか?
私は、芸術的なビジョンというものを信じています。このビジョンなくしては、ファインアート写真は成立しないと考えています。 そしてファインアート写真において、被写体とは、私たちが目の前に見ているものだけではありません。 ビジョンは、私たちが想像できるありとあらゆるものになり得ます。 そして、それを実現するためには、撮影した写真を編集する高い技術力が求められます。 編集は、私の作品における基盤です。 長年にわたり、何百人もの学生と一緒に作品制作をしてきました。そして、画像編集の方法を学ぶことで、彼らの写真作品が劇的に変化するのを実際に見てきました。
ドキュメンタリー写真では、被写体のリアリティを示すことが重要ですが、ファインアート写真ではそれだけでは不十分です。 被写体の奥に潜む「何か」を見出し、想像力を広げていくことが求められます。しかし最終的にはそのビジョンを画像として再現できなければなりません。これはカメラだけで達成するのは極めて難しいことです。
だからこそ、私の考える写真において最も大切なのはビジョンであり、被写体以上に重要なものだと考えています。 次に重要なのは、そのビジョンをしっかり反映させるために、画像を編集する方法を知ることです。
DxO ViewPoint5 は、どのようにあなたの芸術的ビジョンを実現し、写真のストーリー性を向上させていますか?
DxO ViewPoint 5 は私の写真における基本ツールです。ジャンルに関わらず、写真の 99% で使用しています。
特にジオメトリの歪みなしに撮影できない状況において、カメラから得られる結果を強化するために役立ちます。可能な限り最高の結果をカメラから得ようと努めますが、どんなに良い機材を使っていても、状況によってはそれが不可能な場合があります。
私が頻繁に遭遇する状況の 1つに、作り出したい構図が特定の角度やカメラを傾けた場合でないと実現できず、ジオメトリの歪みが発生することになる、という状況があります。歪みを補正できる DxO ViewPoint がなければ、このような写真を撮影することさえできないでしょう。他のソフトウェアで役に立つツールがあるとしても、ジオメトリ補正においてこれほど高度なツールはありません。DxO ViewPoint は 10年以上使っており、私が勧める最初のソフトウェアはこのソフトウェアであることを、私の生徒なら誰でも知っています。
どのようにDxO ViewPoint5 を自分の写真ワークフローに統合していますか? すべてのプロジェクトに使っていますか、それとも特定の作業だけに使われていますか?
私は多くの場合、DxO ViewPoint5 を作品制作の最初の段階で使用します。まず、写真の垂直の傾きや広角レンズによる歪曲を修正する必要があるからです。 通常、画像をトリミングする前に、このプラグインを利用して構図の調整を行います。
特に建築写真では、垂直や水平を修正するために ViewPoint をほぼ毎回使用していますが、風景写真や都市写真などでも、必要に応じて補正を行うことができます。
歪曲がごくわずかな場合でも効果的です。むしろ微細な歪みほど、その威力を発揮するかもしれません。わずかな変形の補正は、他のツールでは困難だからです。
使用頻度の高いツールや機能はどれですか?
そして、その理由は何ですか?
私が最もよく使うツールは、垂直や水平のラインが平行になっていない時にそれをまっすぐにしてくれるパース補正です。 まず最初にオート機能を試してみますが、多くの場合、それで十分です。 より難しいケースでは、画像の構造を調整するために垂直・水平のグリッドを使用します。 本当に難しいケースでは、最も高度なツールであるマルチポイントのグリッドツールを使うこともあります。
もう一つよく使う機能は、ボリューム歪像ツールです。 ジオメトリを補正した後に被写体のプロポーションを調整する必要があることはよくあるのですが、このツールはそういう際に助けになります。
ReShape ツールも好きですね。パース補正と組み合わせてその他の変形を補正してくれたり、特定のシェイプを変えたい時にうまく改善してくれる、便利なツールです。
「DxO ViewPoint は、もう 10年以上も使用しています。 私の作品制作における基盤と言ってもいいでしょう。」
DxO ViewPoint5 独自の強みは何ですか?
DxO ViewPoint5 を非常にパワフルなツールにしているのは、多数のツールを備えた単一のアプリケーションだということです。他のプラグインや、Lightroom や Photoshop の複雑なツールを使う必要がありません。 これによって、ワークフローを大幅にスピードアップできます。 さらに、ViewPoint は他のソフトではできない独自の機能を提供します。例えば、歪像補正は、DxO が数千のカメラとレンズについて行った高度な研究に基づいていて、使用中のカメラ・レンズの組み合わせに合わせた精密な補正が可能です。
このカメラとレンズに関する豊富なデータへのアクセスは、ViewPointの最も革新的な点であり、他のソフトウェアにはない特徴です。 その効果は、レンズによる歪曲、ボリューム歪像、パース補正、水平の調整、写真内のオブジェクトの変形補正など、DxO ViewPoint5 が実現するあらゆるジオメトリ補正で確認できます。


DxO ViewPoint5 を使用することは、あなたの写真編集のテクニックにどのような影響を与えましたか? 新しいテクニックやワークフローの確立につながりましたか?
DxO ViewPoint5 は、画像のジオメトリを修正するだけでなく、撮影したオブジェクトのジオメトリのさまざまな「個性」を引き立てることにも活用できます。 ときには、歪みをあえて誇張し、自分のビジョンをより鮮明に表現することも可能です。 たとえば、建物を見上げる構図で撮影するとき、抽象的な印象を狙って「収束する直線」を強調したくなることがあります。 もちろん、撮影時にその効果を狙うこともありますが、必要に応じてさらに強調します。 そういった場合、 DxO ViewPoint5 を使用して、補正ではなく、変形を強調します。つまり、このソフトウェアを芸術的な表現ツールとして活用しているわけです。
写真家へのアドバイス: 画像編集や写真撮影に関して、若い頃の自分に 1 つアドバイスをするとしたら、何と伝えますか?
私が最も伝えたいことは、特にファインアート写真において、写真は単に世界の姿を記録するものではなく、自分自身を表現するための手段だということです。そして、現代の写真制作において重要なのは、単にカメラの使い方だけでなく、画像をどう処理するかということでもあることを忘れてはいけません。 よい写真と素晴らしい写真を分けるのは、あなた自身のビジョンと、そのビジョンを形にする編集ツールです。 編集ソフトと想像力なしに、カメラ単独でできることには限界があります。 それを決して忘れないでください! それこそが、私が (en)Visiongraphy というコンセプトを、単なる写真撮影以上のものとして語る理由です。 カメラという枠を超えることで、もっと大きな表現の可能性に手を伸ばすことができるのです。